今まで、「山村暮鳥全詩集」は図書館で借りていたものを読んでいました。借りたものは返さなくてはならないから、自分のものではないのです。当然、自分の本がほしくなりました。ネットで検索すると、数点出てきたのですが・・・。先日横浜に行く機会があったので、ある古本屋へ寄ってみたのです。ネットで探した時に、その横浜の古本屋にあったので、寄ってみたのです。はたして、その店には、「山村暮鳥全詩集」が・・・あった!・・・昭和39年の初版。だが・・・その本、なんだかちょっと変。というのは、咽喉の部分にかなりきつい皺があったのです。気にする人は気にするだろうという代物。で、見返し紙には、献呈の文字まで入っているのです。それも、結婚のお祝い!
「祝 御結婚 先生らしいご家庭をつくって下さい 一九六四年十月三日 太田」
と書かれてありました。製本のときにできたのであろう、皺と、この献呈の文字・・・なんだか、ぼくはこの本がほしくなってしまいました。普通の人なら、買わないかもしれないが、ぼくはこの皺と、そして、なにより、手放してしまった先生のかわりに、巡り巡ってぼくの手の中にある本。いろいろな創造がふくらむのです。先生はおいくつぐらいか?どうしてこの本を手放したのか?太田さんてどんな人?なんで、皺の寄った本を差し上げたんだろう?等々・・・・。だけど、なんとなく、ぼくが買うためにおいてある気がして、思わず、値引き交渉もしないで、言い値でかってしまったのです。それでも、なんだか、この本、愛おしい、のです・・・「山村暮鳥全詩集」・・・。
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