« 感謝 | トップページ | やることいっぱい・・・。 »

2008年5月21日 (水)

小野十三郎の詩

 久しぶりに小野十三郎の詩を読んだ。ふとしたきっかけで思いだしたので、調べてみた。葉鶏頭をぼきりと折って、それを振りかざして逃げていく・・・たしか、そんな内容の詩、でした。

盗む

          小野十三郎

街道沿の畑の中で

葉鶏頭を盗もうと思った

葉鶏頭はたやすくもへし折られた

ぼきりとまことに気持ちのいい音とともに

――そしてしづかな貞淑な秋の陽がみちていた

盗人奴! とどなるものもない

ぼくはむしろその声が聞きたかったのだ

もしそのとき誰かが叫んでくれたら

ぼくはどんなに滑稽に愉快に

頭に葉鶏頭をふりかざして

晩秋の一条街道をかけ出すことが出来ただらう

しかしあまりにたやすく平凡に暢気に

当然すぎる位つまらなく盗んだ葉鶏頭を

ぼくはいま無造作に

この橋の上からなげすてるだろう

    
        (詩集「半分開いた窓」から)

 どうしてこの詩を思い出したのだろう? そんなことはどうでもいいか。なんとなくいい。ただ、それだけで、いい。





|

« 感謝 | トップページ | やることいっぱい・・・。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 感謝 | トップページ | やることいっぱい・・・。 »